超自然主義生活

微細霊感から超霊媒シャーマンになっていく過程を綴った非日常的日常生活※ノンフィクション

2016.12 心友Sと神社巡り3

岩屋の社に到着したところで、二柱の神さんにはご神気が直接浴びられるポイントを教えてもらい、Sをそこに立たせている間……うちは社回りのゴミを片付けてスッキリさせて、ほんの少し神域っぽさを取り戻してから、一旦宿に戻って朝食を摂り、チェックアウト。

 

改めて西本宮・東本宮へ行って、天の岩戸があった所を覗かせてもらってーー現在は大きな岩神眷属の妖住処になっていましたーーその後、高千穂神社参拝、高千穂峡に向かえと言われ、一路ボート乗り場の駐車場へ。

昼前で、観光客が最も多い時間帯であったにも関わらず……うち等が到着すると同時に一台出て行き、本当に猿田彦様様でした。家族連れやカップルばかりの中、女二人で手漕ぎボートに乗るシュールさはさておき、滝のしぶきから岩と水と虹のご神気をたっぷり頂きました。そして、したたか濡れました。笑

 

ボート乗り場近くの定食屋でヤマメを堪能した後、次の目的地である霧島へゴー! 

 

ホテル到着後、荷物整理していたら、ブレス一本切れました……金策ブレスとして作っていたものでしたが、今考えるとありゃ身代わりだったかもしれないなぁ……それはさておき。

夕食の時間になり、食堂へ向かっていたら。

 

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「莢猫様とお見受けいたします。お願いがございます、何卒お聞き届けくだされ」

 

見越し入道ごっつガタイのイイ妖が、目の前で三つ指ついて現れました。しかし、デカイのは図体ばかりで、妖力はスカスカ。銀河は『相手にするな』的態度でしたが、名指しで頼みごとなどされると断りづらいですよあーた……

何事ですのんと無言で聞き返したら、「自分はこの辺りの主で、近頃コモノ等が人間の穢れに中てられ過ぎて言うことを聞かなくなってしまい、ここの従業員や客に悪さばかりして困っている。自分を含め清めて欲しい」ーー

聞けば、かつてはコモノ等も彼に従い、昔からあるこの宿の客をひっそり見守っていたそうな。ところが次第に人間の邪気に中てられ荒んでいき、宿にいる者達にイタズラし放題になってしまったのだそう。

ヌシも初めのうちは妖力も統率力もあったので何とか暴走抑えていたものの、最近は力もほぼ使い果たし、じわじわと人間の穢れに病んできていたとか。

 

これからここに泊まる身としては内心穏やかではありません。早速、彼の穢れを抜いて、霊力も分けてやりましたがーーそれでも、邪鬼化してしまったコモノ等は彼の隙を突いてやりたい放題、Sは味噌汁をこぼしそうになるし、うちは小鉢を取り落としそうになるしーー叱ると今度は、厨房で皿の割れる音が二回響きました……こりゃひどい。

 

様子を伺っていた銀河は、つまらなそうにしていたくせにやおらスルッとうちの身体から離れました。

 

「やれ。わざわざ莢猫の手を煩わせるまでもない。わしが清めてやる」

 

脳裏にトムとジェリー的展開が浮かびましたが、銀河の方が確実に捕らえられるだろうな。好きにしていいよ、うん。

 

夕食が済んでも、銀河は戻ってきませんでしたーー時折、楽しげな野太い笑い声と、あちこちから小さな悲鳴が聞こえたのは、ここだけの話ーーっても、聞こえた人は、よほどか霊感ある人だったと思いますが。笑

 

銀河は湯上り時に帰ってきました。

 

「はぁ。喰った喰った」

 

悪さするコモノ等は、銀河に喰われて清められたはず。清められた連中は皆、健やかにあの世へ行けたはず。姿消えるほど穢れていなかったコモノ等には「仲間を返せ」と泣きつかれましたが、穢れた仲間とつるんでいたらあんた等も邪鬼に戻ってしまうでしょうがと諌めました。

やれやれ、これで安心して眠れるわ。ヌシさんも一安心……だよね、多分。

 

はてさて、ドタバタな旅はまだまだ続くーー