超自然主義生活

微細霊感から超霊媒シャーマンになっていく過程を綴った非日常的日常生活※ノンフィクション

2016.8 妖精対策

小人さんと日本語が通じるようになって聞いたのは、男の子達が日本に来た経緯。

 

母親はヨーロッパ人のシングルマザーで、ある時、彼女達の住む家で火事が起きた時、兄弟は逃げ遅れたそうです。

小人達は、子ども達の魂まで焼け焦げないよう守り抜きーー母親が、日本人の恋人と日本に行こうとしていた時に、子ども達の魂も連れて行かせようと、荷物に紛れ込みました。

 

けれども、一度、肉体から離れた魂がこの世に留まり続けると、『魂の矛盾』というものが生じるそうで……よく分からないけど、魂にとっては良くない状態が続くと魂自体が危機に陥るそうです。

大人から抜け出た魂なら、自分が抱えてきた負の感情によって、十中八九いわゆる悪霊化が始まります。

けれども、子どもの魂は純粋無垢なので、悪霊の類からの攻撃、人を喰う類の妖からの餌ターゲットになりやすくなるのだとか。

えげつなー……

 

更に残念な事に、欧米には魂になった後の対処法というか、あの世への道案内というか、法事的イベント『死後の魂供養』が無いのね。

 

死んだら即、天に召されて終わり! って感じ。

 

実際はそんなに単純なものでは無いそうです……そのうち、うち自身、いろいろ学ぶ事になりますが……話、戻しましょうね。

 

その母親は既に日本人と結婚、子どももできて、ますます男の子達の居場所が無くなりーーショッピングモールへ買い物に憑いてきた時。

他の子どもや赤ちゃんの霊が集まる変な人間がいるーーどうやら、あの人に憑いていけば助かるらしい。よし、憑いて行こう!

 

小人は男の子達を何とか説得し……我が家へ。

 

「話はよぉく解った。で、あーた達はどげんするとね?」

「守っていた子等も無事に天に召されたから、国に帰りたい」

 

国に、帰りたい……ですか。

いや、ヨーロッパのどの辺なのかも分かんないのに、無理でしょ! てか、行くなら行くで交通費くれよん。てか、空港行って国に帰れそうな飛行機に乗れよん。

 

すると、春巻さん曰く。

 

「莢猫よ……これ等は既に、おぬしに憑いてしまっておる状態じゃ。おぬしが直接これ等の国へ行くか、何か術など使って彼等を祖国まで飛ばしてやるしかないぞ」

 

何ですと? 行くのが無理なら『術』を使わなんですって?

 

知る訳ねーよそんな術……と言いつつ、ググってみる……ふと目についたのは、合わせ鏡で異世界に閉じ込められるというホラーチックなお話。

んんー? 鏡って、よく異世界に旅立つためのアイテムとして扱われるよね。

 

「ねえ、鏡……この子等、この子等の国に送り返せる?」

 

鏡の中におわします神さんとは、すっかり仲良しになっていました。

 

鏡はあっさり頷きました。

 

「うむ。わしはあらゆる世界と繋がっておるからの」

 

繋がっているなら、先に言ってくれても良いのに……と言いかけましたが、何事もまず、自分が気づかないと話は進まない決まりになっているそうなのでグッと呑み込み……小人達は鏡に託しました。

 

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鏡がどうやって小人を送って行ったのかは、企業秘密だそう。()

 

今後、妖精さんと接触したら鏡に頼もう、うん。

 

「ちょっと待て莢猫。全ての妖精が鏡を通じて移動できる訳では無いぞ」

 

えー……前途多難。でも、くじけないもん。その度にググるもん←