霊能者さん方な、自分が使う霊力を自分の体内で溜めやすい所に溜めておいて、いざという時に備えておくのだという話を小耳に挟んだ莢猫です。
霊力を溜めておくって……どゆこと? 霊能初心者(?)的莢猫にとっては全くピンとこない話でした。
「おぬし、チャクラの勉強は何のためにした」
銀河の白い目がイタイ……えーと、チャクラは魂エネルギーが分散集結する所で、七つあって、
「そして、おぬしの人間的赤と橙のチャクラは既に崩壊していて」
『気』がダダ漏れ状態……あっ!
「私の知る限りでの話だが。多くの霊能者は髪や子宮などに霊力を溜め置いて、しかるべき時に小出しにしておる」
あー、そういえば知り合いの霊能者は脾臓を霊力ストッカーにしてるって言ってたよ。
「どの臓器に霊力ためるのかはそれぞれだ。何にせよ、溜める『器』になり得るならどの臓器でも良い」
なんてこと言われても……やっぱしわかんないよ。
「だろうな。おぬしは現物に喩えるなら、自身の力に無自覚な、すこぶる燃費の悪いハイオク車だからな」
ハイオク……ちらちら当て字に『廃屋』が見えるんですけど。そんな臓器じゃ満足に霊力溜められないじゃん。
「おぬし自身が立てた魂計画は既に超化してしまっているから、溜めおくもへったくれもないのが現状としか言いようがない」
へったくれとか、守護霊のくせに酷い言いよう……そこまで言うなら何とかしてよ銀河。
や、自身が立てた魂計画って? もしかして、白血病やった時のこと?
「本来ならおぬしは今、あの世で神さん修行を積んでいるはずだったのがこの世にいるから。本気で人間辞めてもらわんと話にならん」
銀河の言ってることが話になっとらんのですけど……ますます、どゆこと?
「おぬしの器の月命日は六日であったな。今月はもう過ぎてしまったから、来月六日に海神か山神に人身御供してこい。とりあえずはその薄い髪を霊力ストックにするから、玉毛と切れ毛以外は切るなよ」
月命日って……それ、誕生『日』でしょうよ。それに人身御供ってあーた……うちの言うことはこれっぽっちも聞いていない守護霊ってどうよ。
「ついで言うなら、その髪も全然足らんから、絹糸を髪に付けてストック量を増やせ」
どんだけ無茶振りしてくるつもりな。絹糸でヅラ作れってか。
てか、人身御供って崖っぷちから谷や海に飛び込めっての?
「いや、この器は現状維持だ」
訳分からん……まぁいいや。わからんことはさておき、うちの霊力ストックは髪の毛で決t……
「いや、暫定だ。とりあえずはオカイコサマの力を借りることにしよう」
うちがお蚕様って呼んでいるから合わせてくれたのは解るけど、何、その棒読み的呼称……あーもー分かったよ、うん。
とにかく、まずは絹糸で付け毛作る。
「莢猫、絹糸には虹色を編み込むと霊力溜め易くなるぞ」
虹色……つまり、チャクラのオールカラーね。てか、人身御供の話は?
「来月までに、どちらかの手近な神に話をつける」
未定ですかそーですか。まずは絹糸と虹色糸で付け毛作るだよ、うん。