真言踊り子衆が買い物にまで憑いて来るようになったある日。近くのショッピングモールまで出かけた時の事です……
いつものように、心の中で真言を唱えつつ買い物を済ませ、瑞穂たっての希望でソフトクリームを買って、食べながら帰りましょうと出口に向かっていると、出口近くのエスカレーター前のベンチに座っていた小学3年生くらいの男の子が、
「何じゃあれはーっ!」
と、こちらを見て叫んだのです。もしかして、見えてる?
すわ一大事! 小走りでモールの外へ。そのまま早歩きでモールから離れ、家が見えたところで後ろを振り返ってみました。
大丈夫、男の子は追いかけてきてはいませんでした。とことん好奇心あるような子でなくて、本当に良かった……
見える子には見えるんだと思うと、少し背筋が冷たくなる出来事でした。
たくさんの子霊(たとえるならヒトダマ)と踊り子衆(も、ちゃんと見られる人でなければヒトダマのようにしか見えないかも)が渦巻いて取り憑いている上、腰には小さな竜が巻きついているオバチャンってのは異様そのものでしかないよね、多分。←
しかし、他から見えないようなバリア張る方法なんて全く解りません。当分の間は、買い物行く時は留守番しておくように頼みました、が。
「わしらはおぬしに憑いとるんじゃ。留守番など無理じゃ」
の一点張り。こりゃ、はよぉ成仏してもらわんと……
うん、気合い入れて真言唱えよう。そうしよう。